親御さんの生活を支えるために来てくれる訪問ヘルパーさん。「いつも感謝はしているけれど、なんとなく性格が合わない」「親との相性が心配…」と、モヤモヤした気持ちを抱えていませんか?
「交代をお願いするのはワガママ?」「事業所との関係が悪化したらどうしよう?」と我慢してしまうご家族は少なくありませんが、結論、ヘルパーの交代は原則として可能です。
大切なのは、感情的にならず、適切なステップを踏んで要望を伝えることです。
この記事では、ご家族が抱える罪悪感を解消し、角を立てずに要望を伝え、スムーズにサービスを移行する具体的な方法を解説します。
★交代要請がわかる: トラブルを避ける具体的なステップ
★他の相談先がわかる: 事業所で解決しない場合の公的機関
交代可否:ヘルパーの交代は原則可能!まず相談すべき相手は?

訪問介護は、利用者本人が自宅で安心して生活するためにあるサービスです。介護保険を利用した場合でも、自己負担で契約した場合でも、「利用者がサービスに満足できること」が最優先されます。
そのため、「相性が合わない」「対応に不満がある」といった理由で交代を申し出ることは、まったく問題ありません。
まず悩んだら、以下のどちらかに相談しましょう。
| 優先度 | 相談相手 | 役割 |
| 高 | サービス提供責任者(サ責) | 現場のヘルパーを管理・指導する責任者。最初に現場の不満を伝えるべき窓口です。 |
| 次点 | ケアマネジャー | ケアプランを立て、利用者の立場から中立的に事業所との調整役を担ってくれます。 |
ヘルパー交代の理由として伝えやすい具体例(4選)
不満を伝える際、「なんとなく合わない」ではなく、具体的な理由を伝えるとスムーズです。交代が考慮されやすい主な理由は以下の通りです。
・技術的な不満: 食事の味付けが合わない、清掃の質が期待と異なるなど、具体的なサービスの質の問題。
・時間管理: 遅刻や早退が慢性的に続き、生活リズムが乱れる。
・プライバシー: 利用者が話したくないことを詮索される、または個人情報が漏れていると感じる。
このような方は、どうすればよいのでしょう。次の項目で順番に説明しますね。
交代ステップ:【4ステップで解説】ヘルパー交代をスムーズに進める方法

訪問ヘルパーを交代する際には、以下の手順を踏むとスムーズに移行できます。
ステップ1:利用者本人の不満点を具体的に整理する
まずは、ご利用されているご本人の気持ちを最優先に聞きましょう。不満点や改善希望を感情的にならず、具体的なエピソードや事実としてリストアップします。
| NGな伝え方 | OKな伝え方 |
| 「あのヘルパーさんは全然やる気がない」 | 「〇曜日の午前、ヘルパーさんが来た際、ベッドの下のホコリ掃除を3回依頼しても対応してくれなかった」 |
| 「母と相性が悪いみたい」 | 「母が話しかけてもあまり反応がなく、コミュニケーションにストレスを感じているようだ」 |
ステップ2:事業所の「サービス提供責任者」に相談する
問題点が明確になったら、訪問介護事業所のサービス提供責任者(サ責)に相談します。
サ責は、ヘルパーの業務管理を行う立場のため、苦情や不満を伝える適切な窓口です。サ責は、利用者からの要望を受け、まずはヘルパーへの事実確認と指導を行います。
もし、この指導によって問題が解消されれば、交代せずに解決する場合もあります。
ステップ3:ニーズに合った新しいヘルパーを選定する
サ責との話し合いの結果、交代が必要となった場合は、新しいヘルパーを選びます。
☑人柄や対応の仕方: 事前の面談で、利用者との相性を確認する。
☑技術的なスキル・経験: 身体介護が必要な場合は、介護福祉士などの専門資格があるか。
☑サービス提供可能な曜日・時間: 家族のニーズに合うか。
ステップ4:事業所を通じて円満に交代を要請する
新しいヘルパーの選定が終わったら、事業所を通じて正式に交代を要請します。
現在のヘルパーに対し、家族が直接不満を伝える必要はありません。サ責やケアマネジャーに任せましょう。交代の理由は、「利用者のニーズの変化」「より専門性の高い支援が必要になった」といった形で伝えてもらうと、角が立ちにくいです。
交代要請は、書面にて交代要請を行い、記録に残すことをオススメします。
注意点:ヘルパー交代を依頼する際の注意点と心構え

ヘルパー交代をスムーズに行うために、ご家族が知っておくべき注意点です。
注意点1. 直接的な対立を避ける
現在のヘルパーに直接不満や交代を要求すると、トラブルに発展する可能性があります。必ずケアマネジャーや事業所を通じて、第三者的な立場から要望を伝えましょう。感情的にならず、ステップ1で整理した事実に基づき冷静に対応することが大切です。
注意点2. 契約内容を事前に確認する
訪問介護サービスの契約内容によっては、ヘルパーの変更手続きに時間や書面での手続きが必要な場合があります。事業所やケアマネジャーに確認しながら進めましょう。
【ケアマネジャーの役割】:ケアマネジャーは公正中立の立場で支援する契約があります。事業所との間に立って、不満や苦情についてアドバイスをしてくれる頼れる存在です。
注意点3. 新しいヘルパーの選定に時間がかかる場合がある
事業所の人員状況によっては、すぐに新しいヘルパーが見つからない場合もあります。その際には、利用者や家族が一時的にサポートを強化するなど、柔軟に対応することが求められます。
外部相談窓口:事業所で解決しない場合、公的機関への相談窓口
苦情を訪問介護事業所に伝えても解決しなかったり、誠意のない対応をされたりした場合には、第三者機関に相談することができます。
利用開始時に渡された「重要事項説明書」に、第三者の相談窓口が記載されているはずですので確認しましょう。
国民健康保険団体連合会
各都道府県に設置されており、介護サービスの審査支払業務や苦情処理業務を行う行政機関の1つです。
役割: 公正中立な立場で苦情を受け付け、事実確認やあっせん(仲介)を行います。事業所への指導権限もあります。
お住まいの市区町村の介護保険担当課
市区町村役場の介護保険担当窓口でも、相談を受け付けています。
役割: 事業所の監督責任があるため、事業所の指導や改善を求めることができます。わからない場合は、まずはケアマネジャーに聞くか、役場窓口に相談してみましょう。
まとめ:利用者と家族の安心を最優先に!
訪問ヘルパーとの相性は、利用者のQOL(Quality of Life)=生活の質に大きく影響します。相性が合わないと感じたら、そのままにせず、適切な手順を踏んで、納得のいくサービスを受ける権利があります。
我慢せず、適切な手順で交代を申し出るための行動は以下の通りです。
- 本人の不満を具体的な事実として整理する。
- サービス提供責任者に相談する。
- 解決しない場合はケアマネジャーを交える。
- 最終的に公的機関への相談も視野に入れる。
人手不足の問題など、介護の現実は厳しい側面もありますが、ご家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーやご紹介した相談窓口を上手に活用してください。この記事が、これからの介護ライフを応援しつつ、あなたと大切なご家族の安心につながることを願っています。


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