洗濯が終わったと思い、さぁこれから干すぞ!ってときに、洗濯機のフタを開けて見たら透明のゼリーみたいなものが散乱していて「やっちまったぁ〜」という経験はありますか?
介護施設やご家庭では日々、多くの洗濯物が発生します。リハパン(リハビリパンツ=紙パンツ)もその一部ですが、これを誤って洗濯してしまい「おしまいだ〜」なんていう気分になり、これどうすんの、、、と困ってしまいますよね?この記事を読むと、
- リハパンを洗濯してしまったときの対処方法がわかる
- 介護の現場での洗濯失敗を防ぐための方法がわかる
- リハパンを洗濯したあとの洗濯機の処理の仕方がわかる
これから、わかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
リハパンを洗濯してしまったときの対処法
排泄の悩みや失禁に対して布パンツではなくリハビリパンツ(紙パンツ)を利用している利用者様やご家族がおられると、どうしてもやってしまいがちなのが、衣類の中に紛れ込んだリハビリパンツ(以後、リハパン)を一緒に洗って大惨事となるケースです。
なぜ大惨事となるのか・・・?!透明なゼリー状の正体はリハパンの中の高吸収ポリマーで、水を吸ってパンパンに膨れ上がって破裂した状態で、他の衣類にも付着してしまうからです。
惨状を目の当たりにしても、まず冷静になって、物事の処理から始めましょう!それでは、対処法の手順を説明していきますね。
リハパン洗濯したときの対処法の手順
洗濯機の電源を切る
洗濯機が稼働中の場合は、まず電源を切り停止させます。
リハパンを取り出す
洗濯機からリハパンを慎重に取り出します。このとき、破れた吸水ポリマー(ジェル状のもの)が周囲に付着している場合があります。
洗濯機の前に新聞紙や広告紙を床に敷いてください。洗濯物を敷物の上に全部出します。
衣類を軽く振り落とす
洗濯した衣類を1枚ずつ取り出し、洗濯物をパタパタとはたいて、付着したポリマーを可能な範囲で手で払い落とし、取り除いてください。洗濯物が乾く前にブラシなどで紙おむつを取り除きます。
洗濯槽内のポリマーを掃除する
- 洗濯槽内に散らばったポリマーやゴミを乾いた布やペーパータオルで拭き取り、できるだけ取り除きます。(ポリマーは素手で触っても人的に害がありません)
- 排水口にもポリマーが詰まっていないか確認し、異物があれば取り除きます。
- 糸くずフィルターの中にあるゴミも取り除きます。
洗濯槽を水洗いする
- 洗濯機に水をため、空の状態で1回すすぎ運転を行います。この工程で残ったポリマーを流します。
衣類を再度洗濯する
- ポリマーを払い落とした衣類をもう一度洗濯機に入れ、通常通り洗濯を行います。
- このとき、柔軟剤を入れるとポリマーのべたつきを軽減できます。
- 脱水したらすぐに干してください
乾燥機の使用を避ける
- 衣類にポリマーが完全に取り除かれていない場合、乾燥機を使用すると固まる可能性があるため、自然乾燥をおすすめします。
洗濯機の清掃
厄介なのはこの後なんですね〜実は。これをやっておかないと洗濯機の故障にも繋がりますので、念入りに行いましょう。
洗濯槽内部に付着したリハパンを取り除いたあと、フィルターや排水口につまりがないか確認してください。
洗濯槽内に付着したリハパンを取り除く
- ドラム式洗濯乾燥機の場合
ドラム内やドア・パッキン、ドラムの前面に付着したリハパンも取り除いてください。
- タテ型洗濯機の場合
洗濯・脱水槽、パルセータに付着したリハパンを取り除いてください。なお、糸くずフィルターを外した洗濯・脱水槽の装着部も掃除をお願いします。
フィルターに詰まりがないか確認する
- ドラム式洗濯乾燥機の場合
排水フィルターにゴミや詰まりがあれば、取り除いてください。
排水フィルターを取り外す際は、ドラム内に水が入っていないことを確認してください。多量の水があふれ出るおそれがありますので、外す前には、必ず「脱水」運転を行ってください。また排水フィルターを引き出したときに水が出ることがあるため、洗面器などの容器を置いてくださいね。
- タテ型洗濯機の場合
糸くずフィルターにゴミや詰まりがあれば、取り除いてください。
排水口に詰まりがないか確認する
ゴミや詰まりがあれば、取り除いてください。
電源を入れる
「洗い」のみ、水位「高め」、洗い時間を「最長」に設定する
水位「高め」の設定方法は、機種によって異なります。その後「スタート」する。
水がたまって動き出したら「一時停止」してドア・ふたを開け、浮いているリハパンを取り除く
「洗い」工程の間、1~2分おきに「スタート」と「一時停止」で「動かして止めて」を繰り返し、浮いているリハパン・ポリマーを取り除いてください。
浮いているリハパンが目立たなくなるまで繰り返します。リハパンが目立たなくなったら、電源を押し、運転を止めてください。
「脱水」のみ、脱水時間を「最短」に設定する
「スタート」
洗濯槽内の水が排水されます。
洗濯が終了
フィルターや排水口に詰まりがないか確認する
ここで、洗濯槽クリーナーを使用して、一度満水にして通常洗濯を行うことをおすすめします。(洗濯機に槽洗浄コースボタンがあればワンクリックでできます。)
排水口が詰まっている可能性もありますので、すべて終わったらちゃんと脱水できているか確認しましょう。もしも詰まっていたら取り除く必要があります。
すべてが終わったら、洗濯槽の中やフィルター、排水口のチェックをして洗濯機のフタは開けて乾燥させてください。
内容を入力してください。フタを閉めたままだと、湿気でカビの原因となりますのでご注意を!
衣類のチェック
1.洗濯物を干すときは、ポリマーが残っていないか確認し、一度パタパタとシワを伸ばす感じで干してください。
2.乾燥機は避けたいところですが、時間がなく使用する場合は、すべて確認して乾燥機を回しましょう。
3.衣類が乾燥したらまた確認して、まだ付着している場合は、洋服ブラシや粘着テープで取り除いてよくふって落とし、取り込みます。
どうですか?かなりたいへんな労力が必要ですよね。できれば避けたい!
介護の現場での洗濯失敗を防ぐ方法
介護の現場やご家庭でも洗濯の失敗は何度か経験があると思いますが、こういった失敗を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
ラベル付けと区別をしよう
介護の現場では多くの衣類や介護用品(リハパン・尿とりパッドなど)が混在します。引き出しやクローゼットにラベルを付けて区別し、誰が見てもわかるように区別することで、誤って洗濯するリスクを減らせます。リハパンや尿とりパッドには特別なマークを付け、洗濯に回さないよう注意喚起を促しましょう。
専用のポリバケツと専用の洗濯かごを用意
リハパンなどを誤って洗濯機に入れないよう、専用の蓋付きのポリバケツを用意することが有効です。使用済みのものは専用ポリバケツに入れておくことで、他の洗濯物と混ざることを防げます。
私は、ここで衣類を間違えてはいけないので、「着替え」と「洗濯するもの」と書いたプレート(ラミネートした紙)を用意して、それぞれ衣類の上に置いておきました。
洗濯前の入念なチェック
洗濯する前は、必ず衣類を1枚ずつ見て、特にポケットの中は念入りに確認します。リハパンはわかりやすいですが、尿とりパッドは特に気をつけます。ポケットは、ズボンのポケットだけでなく、シャツの胸ポケットの中もチェックが必要です。ここには、ティッシュペーパーが潜んでいることが多いので要注意です。
洗濯機のフィルターや排水口は、定期的にチェックし詰まりや汚れがないか確認します。これにより、洗濯機の性能を維持し、故障を防ぐことができます。
リハパン洗濯して洗濯機の異常時の対応策
洗濯機が詰まった場合
洗濯機の停止:まず洗濯機を停止し、電源を切ります。
フィルターの掃除:洗濯機のフィルターを取り外し、吸収材や汚れを取り除きます。いつものお手入れよりも入念に行います。
排水口のチェック:排水口が詰まっていないか確認し、ホースの中もチェックが必要であれば、清掃します。排水パイプ洗剤も活用することをおすすめします。
洗濯機の取り扱い説明書に書かれたとおりに行ってください。
専門業者への依頼:洗濯槽の清掃を2~3回対処しても、洗濯後の衣類やフィルターにリハパンやポリマーが付着する場合は、点検が必要です。
自分で対処できない場合は、施設では上長に相談し、ご家庭では速やかに専門業者に修理を依頼することをおすすめします。
まとめ:リハパンを洗濯機で洗ってしまったら・・・
リハパンや尿とりパッドを誤って洗濯してしまうことは、介護の現場やご家庭では避けられないリスクの一つです。しかし、
- 適切な対処法を知り、
- 介護現場での洗濯失敗の予防策を講じること
で、その影響を最小限に抑えることができます。この記事で紹介した方法を参考に、介護の現場での洗濯失敗を減らし、衛生的で快適な環境を維持しましょう。
私もこの経験から、洗濯に関する意識が変わりました。日々日常的に行う洗濯は、交通ルールと同じで先々の注意が必要だと感じました。「・・・かもしれない」で予測されるリスクを想定して、何度も指先確認が必要であることを認識しました。リスクを減らして、明るい介護を目指す方々をこれからも応援いたします!
コメント