高齢者の車いす選びは、利用者の身体状況や生活スタイルに大きく影響します。特に高齢者にとって、快適さや安全性、使い勝手は重要な要素です。例えば、脳梗塞による片麻痺があり歩行が困難な方や、歩行は困難だけど上半身は自由に動かすことができる方など、「どんな車いすを選べばいいの」と悩みますよね?
- 「どの車いすが自分に合うのかわからない…」
- 「種類が多すぎて選び方が難しい…」
- 「購入後に使いづらいと感じたらどうしよう…」
特に初めて車いすを選ぶ方にとっては、どれを選べば良いか迷ってしまうことが多いです。しかし、適切なポイントを押さえて選ぶことで、利用者の快適さと安全性が大きく向上します。
この記事を読むと、次のことがわかります。
★自走式と介助式の違いと選び方のコツ
★車いすのサイズや種類を選ぶ際の注意点
失敗しない車いす選びのための7つのポイントを具体的に解説し、利用する高齢者に適した車いすの選び方を紹介しています。これにより、日常生活のサポートや外出時の移動がスムーズになり、介護者の負担も軽減されるでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
高齢者の車いす選び方を徹底解説!まず押さえたい7つのポイント
車いすを選ぶ際に特に注意すべきポイントは以下の7つです。
2.生活環境に適した車いすを選ぶ
3.操作性と安全性を確認する
4.体格に合ったサイズを選ぶ
5.長時間の使用を考えたクッション性を重視する
6.折りたたみや持ち運びの利便性を考慮する
7.メンテナンスのしやすさを確認する
これらのポイントをしっかり押さえることで、利用者の快適さと安全性が大きく向上します。次の見出しから、具体的な選び方を詳しく見ていきましょう。
高齢者に合った車いすの選び方!自走式と介助式の違いとは?
車いすには主に「自走式」と「介助式」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、利用者に合ったタイプを選ぶことが重要です。
自走式車いす
特徴: 利用者自身が手で車輪を回して移動するタイプです。自立した移動が可能なため、体力がある高齢者に適しています。自走用の車いすは後ろのタイヤが大きく、ハンドリム(漕ぐときに手で触れる部分)がついており、利用者自身が手で操作します。自立性を保ちたい方や、軽度の身体障害があるが手の力が十分にある方に向いています。
・デメリット: 手で車輪を回すため、腕の力が必要です。
- 選び方のポイント
握力や腕の力がある程度残っている方は、自走式車いすが適しています。特に、軽量で操作が簡単なものを選ぶと、長時間の使用でも疲れにくいです。利用者が片手しか使えない場合は、片手操作対応の車いすも選択肢に入ります。
- 具体例
- 手や腕の力があり、自分で移動ができる方
- 室内外を自由に動きたい方
メリット
- 自立した生活をサポートできる
- 外出時に介助者がいなくても移動が可能
デメリット
- 腕の力が弱いと操作が難しい
介助式車いす
介助式は、介助者が後ろから押して移動させるタイプです。以下のような方に向いています。
特徴: 介助式車いすは、利用者自身が操作するのではなく、介護者が押して移動させるタイプです。自走式に比べて軽量で、後輪が小さく、介護者の操作がしやすい設計になっています。体力が低下している方や、全体的に身体の動きが不自由な方に適しています。
・デメリット: 介助者が常に必要です。
- 選び方のポイント
介助者の負担を減らすため、軽量で操作しやすい車椅子を選ぶことが重要です。また、折りたたみが容易なタイプは、外出先での収納がしやすく便利です。ブレーキの操作性や、段差を乗り越えるためのアシスト機能が付いた車椅子は、外出時に安心して使えます。
-
具体例 例えば、外出時に家族や介助者と一緒に移動することが多い方に適しています。
- 自力で車いすを動かせない方
- 介助者と一緒に外出する機会が多い方
メリット
- 軽量で持ち運びがしやすい
- 狭い場所でも小回りが利く
デメリット
利用者が自力で移動するのは難しい
高齢者にぴったりの車いす選び!体格に合ったサイズが重要
車いすのサイズが利用者の体格に合っていないと、姿勢が崩れたり、体に負担がかかります。以下のサイズをチェックしましょう。
体格に合ったサイズを選ぶ
車いすのサイズは、利用者の体格に合わせて選ぶことが重要です。車いすの幅や高さが利用者に合っているか確認しましょう。座面の幅や深さ、背もたれの高さなどが適切であることが重要です。以下のポイントを考慮しましょう。
- 座面の幅: 座面が狭すぎると圧迫感があり、広すぎると安定感が失われます。
- 座面の高さ: 足が地面にしっかりとつく高さが理想です。
- 足置きの位置: 足が自然に置ける位置に調整できるものを選びましょう。
使用環境を考慮する

車いすを使用する環境も選び方のポイントです。以下の点を考慮してくださいね!
- 屋内使用: コンパクトで小回りが利くものが適しています。
- 屋外使用: 耐久性があり、段差や不整地でも安定して移動できるものが良いです。
使いやすさと快適さを重視する

車いすの使いやすさと快適さも重要です。以下の機能をチェックしましょう
- クッション性のある座面: 長時間車いすに座っていると、体の片側に負荷がかかりやすくなり、褥瘡(じょくそう)や痛みの原因になります。そのため、クッション性の高い車いすを選び、利用者の体をしっかりサポートすることが重要です。
- 調整可能なアームレスト: 利用者の体格に合わせて調整できると便利です。車いすからベッドへ移乗の際に、お尻がアームレスト(ひじ掛け)に当たる場合は跳ね上げができるタイプだと、移乗がラクになります。
- 背もたれの角度調整: 利用者の姿勢に合わせて調整できると快適です。体が傾きやすい場合は、補助具を使って体を正しい位置に保つことも有効です。
安全性を確認する

安全面も、車いす選びの重要なポイントです。
高齢者の体力や反射神経が低下している場合、しっかりと止まるブレーキ機能や転倒防止機能を備えた車いすを選ぶことが大事です。以下の点を確認しましょう!
- ブレーキの効きやすさ: 確実に止まれるかを確認しましょう。ブレーキは手動タイプが一般的ですが、電動車いすの場合、自動でブレーキがかかる機能もあります。介護者がブレーキを操作することが多い場合は、シンプルな手動ブレーキで、確実に止まることを確認しましょう。
- 転倒防止機能: 傾斜や段差で転倒しにくい設計になっているかを確認することが大切です。
メンテナンスのしやすさ
車いすは定期的なメンテナンスが必要です。以下の点を考慮しましょう。

簡単に清掃やメンテナンスができるかどうかも重要なんです。
- タイヤの点検: タイヤやブレーキの点検、部品の交換がしやすい車いすを選び、簡単に交換できるかを確認しましょう。
- 清掃のしやすさ: 座面やフレームが清掃しやすい素材かをチェックしましょう。特に屋外で使用する場合は、耐久性や防水性も考慮したほうが良いでしょう。
予算に合わせて車いすを選ぶ
最後に、予算も考慮しましょう。車いすの価格は幅広いので、予算に合わせて選ぶことも大切です。保険や補助金の対象となる場合もあるので、確認してみると良いでしょう。

以下の点を考慮して選びましょう。
- 必要な機能: 必要な機能を備えたものを選ぶことで、コストパフォーマンスを高めることができます。利用者の身体状態に合わせて、価格と機能のバランスが取れた車いすを選びましょう。
- 長期的な投資: 高機能な車いすは高価ですが、長期的に見て快適さや安全性を考慮すると、良い投資となることが多いです。
- レンタルの選択肢: 購入だけでなく、レンタルという方法もあります。短期間の使用や試用期間を設けたい場合に便利です。レンタルなら、最新のモデルを試すこともでき、メンテナンスも業者が行ってくれるため手間が省けます。
座幅
座幅は、利用者の体がきつすぎず、ゆるすぎない幅が理想です。
- 体が圧迫されると血行が悪くなり、不快感が生じます。
- ゆるすぎると姿勢が崩れ、転倒のリスクが高まります。
座面の奥行き
座面の奥行きが長すぎると膝裏に圧迫感を与え、短すぎると座り心地が悪くなります。
- 膝裏に2~3cmの隙間ができるのが理想です。
前座高
前座高は、足が床につく高さに調整します。
- 足が宙に浮いていると不安定になります。
- 足がしっかり床に着くことで安定した姿勢を保てます。
高齢者の車いす選びで失敗しない!生活環境に合った種類を選ぶコツ
車いすにはさまざまな種類があります。利用者の生活環境や使用目的に合わせて選ぶことが大切です。
標準型車いす
- 室内外で使用可能な一般的な車いす
- 初めて車いすを使う方におすすめ
モジュール型車いす
- パーツが交換できるため、長期的な使用に適しています
- 利用者の体格に合わせてカスタマイズ可能
リクライニング型車いす
- 背もたれを倒してリクライニングできるタイプ
- 長時間の使用や、姿勢保持が難しい方に最適特徴: リクライニング車いすは、背もたれが大きく倒れ、快適な姿勢を保てる車いすです。長時間車いすに座る必要がある方や、背中や腰に負担がかかる方に向いています。寝たきりに近い状態の方や、体位変換を頻繁に行う必要がある方に最適です。背もたれが倒れるだけでなく、座面全体が傾くため、体圧を分散しやすく、長時間座っていても疲れにくいです。
・メリット: 体圧を分散しやすく、長時間の使用でも快適です。
・デメリット: 重量があり、価格が高めです。- 選び方のポイント
リクライニングの角度が調整でき、足置きも連動して動くタイプが快適です。また、長時間使用する場合は、クッション性が高く、体圧を分散させる機能があるものを選ぶと良いでしょう。特に褥瘡(じょくそう)防止のためのクッションが付属しているタイプが安心です。
具体例: 例えば、長時間座っている必要がある方や、体圧分散が必要な方に適しています。 - 選び方のポイント
電動車いす
- モーターで動くため、力が弱い方でも自分で移動が可能
- 外出が多い方や、自走が難しい方におすすめ特徴: モーターで動くため、利用者が自力で操作できない場合でも移動が可能です。高齢者で体力が低下している方や、長距離の移動を頻繁に行う方に最適です。コントローラーを操作することで、自分のペースで自由に移動できるため、外出機会を増やしたい方にも向いています。
・メリット: 力を使わずに移動できるため、体力が低下している高齢者にも適しています。
・デメリット: バッテリーの充電が必要で、価格が高めです。- 選び方のポイント
バッテリーの持ち時間や走行距離が重要なポイントです。また、利用者が簡単に操作できる直感的なコントローラー付きのモデルを選ぶと、操作がスムーズになります。電動車いすの重量や充電方法も考慮し、日常生活で使いやすいものを選びましょう。
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具体例 例えば、広い施設内や長距離の移動が必要な場合に便利です。
軽量車いす
特徴:軽量車いすは、軽い素材で作られており、折りたたみが可能なものも多く、持ち運びがしやすい車椅子です。 車に乗る機会が多い場合や、狭い家の中で頻繁に移動する方に最適です。旅行や外出時に便利で、軽量な車椅子は扱いやすくなりますね。
・メリット: 軽量で持ち運びが簡単です。
・デメリット: 耐久性が低い場合があります。
- 選び方のポイント
軽量車いすを選ぶ際は、材質の耐久性と折りたたみのし易さを確認しましょう。 特に、アルミ製のものは軽量でありながら耐久性が高く、日常の使用にも耐える設計になっており、収納時にどれくらいコンパクトになるのかも、重要な検討ポイントです。折りたたみが簡単で、コンパクトに収納できるタイプは、車や家の収納に便利です。 -
具体例: 例えば、旅行や外出が多い方に適しています。
- 選び方のポイント
高齢者の車いす選びは試乗が必須!専門家に相談するメリットとは?
車いすを購入する際は、必ず試乗して操作性や座り心地を確認しましょう。また、福祉用具専門相談員や理学療法士に相談することで、より適切な車いすを選ぶことができます。
試乗のポイント
- 操作しやすさを確認する
- 座り心地を確かめる
- 足置きやアームレストの調整が可能か確認する
専門家のアドバイス
- 福祉用具専門相談員は、利用者の体格や生活環境に合った車いすを提案してくれます。
- 理学療法士は、体に負担がかからない姿勢を保てる車いす選びをサポートしてくれます。
まとめ:高齢者の車いす選びは快適さと安全性が重要!
高齢者の車いす選びは、快適さと安全性を確保するために非常に重要です。以下のポイントを参考にして、最適な車いすを選びましょう。
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- 使用目的を明確にする
車いすを選ぶ際には、まず使用目的を明確にしましょう。例えば、日常生活での使用、外出時の使用、リハビリ目的など、用途によって適した車いすが異なります。 - 使用者の体型に合ったサイズを選ぶ
車いすのサイズは、使用者の体型に合わせることが重要です。座面の幅や深さ、背もたれの高さなどを確認し、快適に座れるサイズを選びましょう。 - 車いすの重量と折りたたみ機能
軽量で折りたたみ可能な車いすは、持ち運びや収納が便利です。特に外出が多い場合は、軽量でコンパクトに折りたためるモデルを選ぶと良いでしょう。 - 座り心地とクッション性
長時間座ることが多い場合、座り心地とクッション性は非常に重要です。クッションの素材や厚さを確認し、快適に座れるものを選びましょう。 - 安全性とブレーキ機能
車いすの安全性は最優先事項です。ブレーキの使いやすさや安定性を確認し、安全に使用できるものを選びましょう。 - メンテナンスのしやすさ
車いすは定期的なメンテナンスが必要です。タイヤの交換やクッションの洗濯など、メンテナンスがしやすいモデルを選ぶと長く使えます。 - 予算に合わせた選択
最後に、予算に合わせた車いすを選びましょう。レンタルもできますので、ケアマネジャーに相談されることをおすすめします。
- 使用目的を明確にする
これらのポイントを考慮して、使用者にとって最適な車いすを選ぶことで、快適で安全な生活をサポートできます。車いす選びは慎重に行い、使用者のニーズに最も適したものを見つけてくださいね。これからの安心安全な車いす生活を応援します!
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