「介護職を辞めたいけど、本当に辞めていいのかな?」
「一度離れたら、もう戻れない気がする…」
そんな不安や迷いを抱えている50代・60代の方は、少なくないのではないでしょうか。
私自身、介護福祉士として14年間働いたあと、心身の限界を感じたこともありましたが、それ以上に「このまま介護職で終わっていいのか?」という問いが心に浮かびました。
50代という人生の折り返し地点で、自分の本当にやりたいことは何なのか?を見つめ直したくなったのです。
「もう戻らない」と思っていたのに、3年後、再び介護の現場に立つことになった私。
なぜ私は戻ったのか?
そして、離れてみて気づいた“介護職の本当の価値”とは?
この記事では、
介護職を辞めた理由、離れて気づいたこと、そして復職を決断した背景について、私自身の体験をもとに詳しく解説します。
50代・60代で転職や復職を考えている方にとって、少しでもヒントや勇気になれば嬉しいです。
介護職を辞めた50代の私が“戻らない”と決めた理由とは?
50代という節目に、私は介護職を離れる決断をしました。
それは、ただ疲れていたからではなく、自分の人生を見つめ直したいという思いからでした。
介護の現場を離れるにあたって、私が感じていた主な理由は以下の3つです:
- 体力的・精神的な負担が積み重なっていたこと
- 職場の人間関係や環境に悩みがあったこと
- もっと自分らしく生きたいという思いが強くなったこと
それぞれの理由について、もう少し詳しくお話ししていきますね。
体力的・精神的な限界を感じた日々
夜勤明けの朝、ふらつく足で帰宅しながら「このまま倒れたらどうなるんだろう」と思ったことがあります。
50代になると、若い頃のような無理はきかなくなり、介護職の体力的な負担がじわじわと重くのしかかってきました。
精神的にも、利用者様の急変や家族対応、スタッフ間の連携不足など、プレッシャーの連続。
「ちゃんとやらなきゃ」「迷惑かけちゃいけない」と自分を追い詰める日々が続き、心がすり減っていくのを感じていました。
人間関係や職場環境に悩んだ理由
介護の現場は、チームワークが命です。
でも、価値観の違いや経験年数の差が、時に人間関係のストレスを生みます。
「なんでそんな言い方するの?」と傷ついたり、「私ばかり負担が多い」と感じたり…。
誰かに相談しても、「仕方ないよ」「どこも同じだよ」と言われるだけで、孤独感が増していきました。
もっと自分らしく生きたいという思い
ある日、利用者様から「ありがとう」と言われたのに、心が動かなかったんです。
それは私にとって、介護職としての“やりがい”が感じられなくなった瞬間でした。
「このまま続けても、自分が壊れてしまうかもしれない」
そう思うと同時に、「もっと自分らしく生きる道を探したい」と強く思うようになりました。
介護職を離れてわかった“やりがい”と他職種との違い
介護職を離れた私は、まったく別の職種に挑戦しました。
新しい環境で働くことは刺激的で、体力的にも楽になりました。
でも、どこか心が満たされない感覚が残ったのです。
以下は、介護職を離れて気づいたことです:
- 人と深く関わる仕事が恋しくなった
- 「ありがとう」と言われる瞬間の重みを思い出した
- 介護職の“やりがい”は他では代えがたいものだった
他の仕事で得た安心感と物足りなさ
事務職や販売職など、体力的には楽でした。
でも、どこか「自分が誰かの役に立っている」という実感が薄く、物足りなさを感じるようになりました。
「人と深く関わる」ことの価値に気づいた
介護職では、利用者様の人生に寄り添う時間があります。
その深さは、他の職種ではなかなか得られないもの。
「人と関わることが、私の原点だった」と気づいた瞬間でした。
介護職の“ありがとう”が恋しくなった理由
他の仕事でも感謝されることはあります。
でも、介護の現場での「ありがとう」は、人生の重みを伴った言葉。
その言葉が、私の心を動かす力を持っていたのです。
介護職に復職した60代の私が乗り越えた不安と決断の理由
3年のブランクを経て、私は再び介護職に戻る決断をしました。
もちろん不安はありました。
でも、それ以上に「もう一度、誰かの役に立ちたい」という気持ちが強くなっていたのです。
復職にあたって考えたことは以下の通りです:
- 年齢的な不安はあるが、経験は武器になる
- 働き方を見直せば、無理なく続けられる
- 自分のペースで、もう一度介護に向き合いたい
再び介護職に戻るまでに考えたこと
「体力は持つだろうか?」「職場に馴染めるだろうか?」
そんな不安を抱えながらも、自分の経験を活かせる場所があるはずと信じて、求人を探しました。
50代・60代でも介護職に復職できる?
実際、年齢を理由に断られることはありませんでした。
むしろ「経験がある方はありがたい」と言ってもらえることが多く、年齢よりも人柄と経験が重視される現場が増えていると感じました。
復職して感じた変化と新しい視点
以前よりも、心に余裕を持って働けるようになりました。
「無理しない」「頼ることも大切」──そんな視点を持てたことで、介護職との向き合い方が変わったのです。
50代・60代の介護職転職で後悔しないための3つの気づき
復職を通して、私が得た“気づき”は以下の3つです:
- 年齢を重ねたからこそ活かせる力がある
- 職場選びでは理念や人間関係を重視すべき
- 辞めた経験は、転職活動の武器になる
年齢を重ねたからこそ活かせる力とは
人生経験や共感力は、介護の現場で大きな強みになります。
若い頃には気づけなかったことが、今なら自然にできる──そんな場面が増えました。
職場選びで見落としがちなポイント
転職活動では、給与や勤務時間ばかりに目が行きがちですが、理念や職場の雰囲気、人間関係の質こそが長く働くうえで重要です。
見学時にスタッフ同士の声かけや利用者様への対応を観察するだけでも、職場の空気は伝わってきます。
「ここなら安心して働けそう」と感じられるかどうかが、後悔しない転職の鍵です。
「辞めた経験」が転職活動の武器になる理由
一度介護職を離れたことで、私は自分の価値観や働き方を見直すことができました。
その経験があるからこそ、「何を大切にしたいか」「どんな職場が合うか」が明確になり、転職先の選び方にも自信が持てるようになったのです。
「辞めたこと」は失敗ではなく、自分を知るための大切な時間だったと、今では胸を張って言えます。
介護職に戻るのは“後退”じゃない──50代・60代の再出発に必要なこと
介護職に戻ることは、決して“後退”ではありません。
むしろ、経験と気づきを持って再び現場に立つことは、成長の証です。
復職は“成長”の証であるという考え方
一度離れたからこそ、介護職の価値や自分の役割を再確認できました。
復職は「やり直し」ではなく、「新しいスタート」なのです。
自分の経験が誰かの力になる瞬間
利用者様や新人スタッフに対して、以前よりも深く寄り添えるようになったと感じています。
自分の経験が誰かの安心につながる──そんな瞬間に、復職してよかったと心から思えるのです。
迷っているあなたへ伝えたいメッセージ
もし今、介護職に戻るかどうか迷っているなら、焦らずに自分の気持ちと向き合ってみてください。
「辞めたからこそ見えたもの」が、きっとあなたの次の一歩を支えてくれます。
まとめ:介護職を離れて、戻ったからこそ見えた“本当の価値”
- 介護職を辞めた理由は、ネガティブだけではなく「自分らしく生きたい」という前向きな選択だった
- 他職種を経験したことで、介護職のやりがいや人との深い関わりの価値に気づいた
- 50代・60代でも復職は可能であり、経験が強みになる
- 職場選びでは、理念や人間関係を重視することが後悔しない転職につながる
- 辞めた経験は、自分を知るための大切な時間であり、復職は“成長の証”
介護職に戻ることは、決して後ろ向きな選択ではありません。
それは、自分の人生を見つめ直し、もう一度誰かの力になりたいと願う“再出発”の一歩です。
この体験が、今迷っているあなたの背中をそっと押せたなら、私にとって何よりの喜びです!
あなたのこれからを応援しています。
コメント