久しぶりに実家へ帰省したとき、
「お母さん、こんな話し方だったかな…」
「お父さん、同じ話をさっきも聞いたような…」
そんな小さな違和感を覚えたことはありませんか?
久しぶりに会うからこそ気づける親の変化があります。
- 同じ話を何度も繰り返す
- 真夏なのに厚手のセーターを着ている
- 財布の中が小銭でいっぱいになっている
- 冷蔵庫に賞味期限切れの食品が増えている
こうした変化は、「年齢のせいかな」と見過ごされがちですが、認知症の初期症状が隠れている可能性もあります。
もちろん、これらの変化があるからといって、必ずしも認知症とは限りません。加齢や体調の変化、服用している薬の影響などが関係している場合もあります。
しかし、大切なのは、「いつもと違う」という小さなサインを見逃さないことです。
認知症は、早期に気づき適切な医療や支援につなげることで、ご本人らしい生活を長く続けられる可能性があります。また、ご家族も慌てることなく、これからの暮らしについて考える時間を持つことができます。
この記事では、介護福祉士として多くの高齢者と関わってきた経験と、実際に親の変化を見守ってきた体験をもとに、帰省したときに確認したい「親の認知症サイン15選」を分かりやすくご紹介します。
この記事を読むことで、次のことが分かります。
★ 会話・生活習慣・住環境から気づける変化
★ 「もしかして?」と思ったときに家族が最初に取るべき行動
年に数回しか会えないからこそ、帰省は親の小さな変化に気づける大切な時間です。
この記事が、親御さんの安心した暮らしを守る第一歩となれば幸いです。
親の認知症サイン15選【会話・行動編】
久しぶりの帰省だからこそ気づける変化があります。
まずは、親御さんとの何気ない会話や行動を思い浮かべながら、一つずつ確認してみましょう。
① 同じ話を何度も繰り返す
「この話、さっきも聞いたような…」と思うことはありませんか。
年齢を重ねると物忘れは誰にでもあります。しかし、短い時間のうちに同じ話を何度も繰り返すことが増えたら、小さな変化として気にかけてみましょう。
② 今日の日付や曜日が分からない
「今日は何日だっけ?」「今日は何曜日?」と何度も聞かれることはありませんか。
予定がない日には曜日が分からなくなることもあります。しかし、教えてもすぐに忘れてしまったり、何度も同じことを聞いたりすることが増えたら、注意して見守りましょう。
③ 話のつじつまが合わない
会話をしていて、「話がかみ合わないな」と感じることはありませんか。
質問への答えがずれていたり、話の途中で内容が変わったりすることが続く場合は、認知機能の変化が影響している可能性もあります。

【実体験】夫と息子を間違えてお話になっていることがありました。
④ 人の名前を思い出せない
「あの人、ほら…」と名前がなかなか出てこないことはありませんか。
年齢とともに名前が出にくくなることはありますが、家族や親しい人の名前を何度も思い出せなくなったり、顔と名前が一致しなくなったりすることが増えてきたら、変化の一つとして気にかけてみましょう。
⑤ 怒りっぽくなった・趣味に興味がなくなった
以前より怒りっぽくなったり、好きだった趣味をやめてしまったりしていませんか。
性格が変わったように感じる変化や、何事にも無関心になる様子が続く場合は、心や脳の変化が隠れていることもあります。年齢のせいと決めつけず、普段との違いに目を向けてみましょう。
親の認知症サイン15選【生活習慣編】
毎日の暮らしには、親御さんの小さな変化が表れやすいものです。
普段の生活を思い浮かべながら、一つずつ確認してみましょう。
⑥ 身だしなみが乱れた
服装が季節に合っていなかったり、同じ服を何日も着ていたりすることはありませんか。
身だしなみの変化は、着替えや服を選ぶことが少しずつ難しくなっているサインかもしれません。

【実体験】 真夏にセーターを着ていたり、肌着をシャツの上から着ていたりと衣類の乱れが顕著になります。
⑦ 食事内容が変わった
以前より簡単なものばかり食べるようになったり、同じ献立が続いたりしていませんか。
料理が負担になり、食事の準備を簡単に済ませるようになることがあります。
⑧ 薬の管理ができない
薬が余っていたり、「飲んだかどうか分からない」と話すことはありませんか。
飲み忘れや飲み間違いが続くようであれば、薬の管理方法を見直すタイミングかもしれません。
⑨ 金銭管理が苦手になった
財布の中が小銭ばかりになっていたり、支払いに時間がかかったりしていませんか。
計算やお金の管理が少しずつ難しくなることで、お札を使うことが増え、小銭だけが残ってしまうことがあります。

【実体験】財布の中身は小銭でいっぱいでした。これは、買い物の支払計算が難しくなり、小銭があってもお札で払うからです。
⑩ 同じものを何度も買う
冷蔵庫や棚を開けると、同じ調味料や食品がいくつも並んでいることはありませんか。
買ったことを忘れてしまい、必要かどうか分からないまま購入してしまうことがあります。
親の認知症サイン15選【住環境編】
家の中には、言葉では分からない変化が表れることがあります。
部屋の様子や冷蔵庫の中なども、さりげなく確認してみましょう。
⑪ 冷蔵庫に賞味期限切れが多い
冷蔵庫の中に賞味期限切れの食品が増えていませんか。
食品の管理が難しくなると、食べ忘れや買い忘れが重なり、冷蔵庫の中が整理できなくなることがあります。

私が実際に、実家の冷蔵庫の山をどう整理し、親にどんな言葉をかけて解決したのかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

⑫ 郵便物が溜まっている
開封していない郵便物や請求書が、そのまま置かれていませんか。
郵便物を確認したり、手続きをしたりすることが負担になっている可能性があります。
⑬ 家が散らかってきた
以前はきれいだった部屋が、片付かなくなっていませんか。
掃除や片付けが大変になり、少しずつ生活環境が変わっていくことがあります。

住環境の変化は、親御さんの心身の状態を映し出す鏡です。注意深く観察することが大切ですね。
⑭ 物をよく失くす
眼鏡やリモコンなど、いつも使う物を探すことが増えていませんか。
置いた場所を忘れることが増え、家の中を探し回る場面が多くなることがあります。
⑮ 電気やガスの消し忘れが増えた
「電気がつけっぱなし」「ガスの火を消し忘れていた」ということはありませんか。
うっかりミスは誰にでもあります。しかし、以前より消し忘れが増えてきたと感じたら、注意が必要です。事故を防ぐためにも、さりげなく様子を見守りながら、必要に応じて家族で対策を考えていきましょう。
親の認知症サイン15選チェックリスト
ここまでご紹介した15のサインを、最後にもう一度確認してみましょう。
帰省前や帰省中に見返せるよう、保存用チェックリストとしてもご活用ください。

いくつか当てはまる項目があっても、すぐに認知症とは限りません。
ただ、「最近増えてきたな」「以前とは違うな」と感じる変化が続いているようであれば、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域包括支援センターへ相談してみることをおすすめします。
まとめ
親の認知症は、ある日突然始まるものではなく、小さな変化が少しずつ積み重なっていくことが多くあります。
だからこそ、久しぶりに帰省したときの「あれ?」という違和感は、とても大切なサインです。
今回ご紹介した15のチェックポイントは、「認知症かどうか」を判断するためではなく、親御さんの変化に気づくための目安として活用してください。
そして、気になることがあれば、一人で悩まずに家族で話し合い、必要に応じて専門機関へ相談することが大切です。早めに行動することで、親御さんが安心して暮らせる時間を長く守れる可能性があります。
帰省できる時間は、決して当たり前ではありません。
だからこそ、親御さんと何気ない会話をしたり、一緒に食事をしたり、その時間そのものを大切にしてください。
この記事が、ご家族にとって「親の変化に気づくきっかけ」となれば幸いです。

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