終活を始めるにあたって、親に何を聞いておくべきかを理解することは、後悔のない準備をするために重要です。
「昨年、夫を亡くした母親のことが心配の娘A子(50代)さん。遠くに離れた独居の母親(80代)に、もしものことがあると困るから、今後のことで親に聞いておくことは何かしら?」と、A子さんは悩みます。
この記事では、
- 終活で親に聞いておくべきことがわかる
- 家族が後悔しないための終活の具体的な方法がわかる
- 親の終活を勧める注意点がわかる
家族全員が安心して未来を迎えるためのステップを確認して、終活の準備に必要な情報や具体的な方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
終活で親に聞いておくべきこととは?
終活において、親に聞いておくべきことは、主に以下の5項目になります。
2.遺言書の有無と内容を確認する
3.医療・介護の希望を確認する
4.葬式やお墓の確認をする
5.デジタル遺産の管理を確認する
それでは、ひとつずつ説明しますね。
財産の状況を確認する
財産の把握は、終活の基本です。親の財産状況を知っておくことで、後々の相続手続きがスムーズになります。銀行口座や不動産、保険などの情報を確認し、どのように分配するかを話し合いましょう。これにより、家族が後悔しないように準備を進めることができます。
遺言書の有無と内容を確認する
遺言書があるかどうか、またその内容を確認することは、相続手続きをスムーズに進めるために重要です。
遺言書の有無や内容について、親の意向を確認することは重要です。遺言書を作成しておくことで、財産の分配や遺産相続に関するトラブルを防ぐことができます。親が遺言書を作成しているかどうかを確認し、必要ならば専門家に相談することを勧めましょう。
医療・介護の希望を確認する
親の医療や介護についての希望を事前に知っておくことで、将来の意思決定がスムーズになります。交通事故や病気・ケガ、認知症等によって判断能力が衰えたり、コミュニケーション能力が低下したときのために、親の看護・介護についての考えや希望を知っておくことが重要です。
葬儀やお墓の希望を確認する
葬儀やお墓の形式や場所について親の希望を確認しておくことで、家族が安心して準備を進められます。親がどのような葬儀を希望しているかを確認することも重要です。宗教的な儀式や葬儀の形式、場所などについて話し合いましょう。これにより、家族が後悔しないように親の希望を尊重することができます。
デジタル遺産の管理を確認する
デジタル遺産とは、デジタル形式で保存された財産のことで、現物が確認できる土地や預金通帳などと違い、現物の確認でインターネットやデジタル機器なくして存在を確認できないものが、デジタル遺産と言えます。
親のデジタル遺産も忘れずに確認しておくべきポイントです。パソコンや携帯のアカウントやデータの管理方法について話し合う必要があります。
今や、携帯電話は高齢者でも持っていて、連絡手段としては欠かせませんよね。いろんなサイトを利用していたり、アプリで操作できる方も増えました。しかし、ログインIDやパスワードを覚えているでしょうか?亡くなった後、デジタル画面の操作に必要なパスワードなどを知らないと、誰も開けることができず、専門業者に依頼するなど、時間とお金がかかります。
なので、デジタル遺産は、親と一緒に終活準備をしていなければ見逃してしまいがちな財産です。この先は親も携帯やパソコンなどの操作が難しくなるため、同意の上で適切に整理してあげるといいでしょう。
家族が後悔しないための終活の具体的なステップ方法とは
終活の具体的な手順を提案することで、親が始めやすくなります。以下のステップを参考に、親と一緒に計画を立てましょう。.親が終活をスムーズに進められるよう、具体的なステップを提案します。
ステップ1:情報の整理
まずは、財産や重要な情報をリストアップします。銀行口座、保険証券、不動産の権利書など、すべての書類を一か所にまとめましょう。あと、親の基本情報なども必要なので、学歴や職歴、交友関係も子供は案外知らないことが多いので、情報として聞いておいたほうが良いですね。
ステップ2:専門家に相談
弁護士や税理士、終活カウンセラーなどの専門家に相談し、遺言書の作成や相続税対策を進めます。終活に関する専門家のサポートを受けることで、親が安心して終活を進めることができます。弁護士や終活カウンセラーの存在を紹介し、相談の機会を設けましょう。
ステップ3:「エンディングノート」の作成
親の意向を反映した医療や介護、葬儀の計画を具体的に作成します。これにより、家族全員が同じ方向を向いて行動できます。まずは、「エンディングノート」を作成しましょう。これまでの親の人生を振り返るためにも、とても有効だと考えられます。
親の意向や希望をまとめた重要な文書となりますので、今まで解説してきたことがすべて1冊にまとめられて便利です。エンディングノートを作成することで、親は終活に向き合いながら前向きに準備を進めることができます。
エンディングノートは、本屋さんでも気軽に購入でき、各自治体で無料で配られるところもあります。ぜひ活用してみてくださいね!
ステップ4:デジタル遺産の管理
仮想通貨や電子マネー・クレジットカードのポイント・マイレージポイントなど目に見えないものがたくさんあります。
ステップ5:定期的な見直し
一度作成した計画や情報は、定期的に見直し、最新の状態を保ちます。これにより、状況の変化に対応できます。
先ほど提案した「エンディングノート」も書き換えはいつでも自由です。状況は変化していきます。資産状況も変わりますので、状況が変わればその都度修正や訂正をしていきたいですね。
親の終活を子供がすすめるときの注意点
親の終活を進めるということは、とても大切なことであるとともに、人生の棚卸し的な要素もあります。なので、タイミングを見て慎重に行う必要があります。以下の点に注意して終活を勧めましょう。
小さなステップから始める
親が終活に対して抵抗感を持っている場合、小さなステップから始めることが重要です。無理なく進められる方法を提案しましょう。
定期的なコミュニケーション
親と定期的にコミュニケーションを取り、終活に関する情報を共有することが大切です。家族が同じ情報を持つことで、後悔やトラブルを防ぐことができます。
終活はデリケートな問題でもあります。 親子であっても無理強いはせず、親の自主性を尊重しながら進めましょう。
親の健康状態を把握しておく
終活を始めるのは早いに越したことはありません。親の健康状態を把握し、病気や認知症になる前に始めましょう。終活には労力や判断力が必要です。遅くなるほど面倒くさがり気力を失くしてしまう場合があります。なので、親がお元気なうちに始めたほうが、親子にとってもメリットがあるといえるでしょう。
専門家に相談
ご家族で判断できないときは、終活に関する相談やサポートを受けるために、専門家の助けを借りることもおすすめです。弁護士や税理士、終活カウンセラーなどが親の終活をサポートしてくれます。家族が後悔しないために、今からできることを一緒に考え、実行していきましょう。
まとめ:親の終活は、家族も振り返るきっかけとなる
親の終活を進めるためには、事前に聞いておくべきことがたくさんあります。
- 財産の状況
- 遺言書の有無
- 医療・介護の希望
- 葬儀の形式
- デジタル遺産の管理
親の意向を尊重しながら、家族が安心して未来を迎えるための準備を進めることが大切です。終活とは、自分の人生の終わりを見据えて準備をする活動のことです。家族が後悔しないためには、親が元気なときに聞いておくことが重要ですよね。親と同様自分の人生にも置き換えられるので、良いきっかけとなるでしょう。
ご家族の皆さんが、これからの将来に向けて明るく進める終活を応援します!
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